イタリア製の高級輸入紙での印刷に初挑戦した、
運輸会社社長様の名刺が刷り上がりました。
このプラークという紙は、
独特の鮮やかな発色と、まるでヌメ革かスエードのような紙とは思えない手触りと高級感が魅力です。
特色ある紙だからこそ、印刷には色々と条件がありました。
まず、インキが乾きにくいこと。
活版印刷専用インキのような、紙に浸透するタイプは使うことができず、
現在主流の印刷・オフセット印刷用のインキを使って時間をかけ乾燥させるか、
紫外線で乾きを早くするUV印刷が適しています。
活版印刷でUV印刷を行うことは無理なので、
オフセット印刷用のインキを使った印刷で挑戦。
そして、独特の質感があるからこそ、こすれなどで傷が付きやすいという課題も。
一つ一つ丁寧に扱うことが求められ、
またインキが乾きにくい点からも、重ねると裏に色が写ってしまいそうなので、
全自動のHEIDELBERG PRATEN T型さんには今回おやすみいただき、
あえて手キンで一枚一枚手仕事で印刷し、間を空けて乾燥させます。
通常オフセット印刷のインキなら数時間~翌日で乾燥しますが、
こちらでは念の為48時間以上しっかり乾燥させて、安定した仕上がりを確認しました。
さて今回の名刺デザイン。
シルバーとゴールド、2色のインキを重ねて印刷した背景には、
碁盤と碁石が浮かび上がります。
運輸会社のある、丹波市柏原町には石見神社があり、
その祭神は領地争いを囲碁勝負で解決を図ったと伝えられています。
その逸話にちなんで平成4年、石見神社境内には日本最大の(一辺が約2m)
石造りの大碁盤が奉納されました。
社名の由来ともなる石見神社からインスピレーションを得たデザインを、
手触りなめらかな2色の紙に印刷しています。
最後にスミ色で力強く社名とお名前を印刷しました。
オーソドックスなアイボリーは実績を積み重ねる
実直な姿勢を伝えられるような仕上がりに。
写真では伝えきれないほどの鮮やかなオレンジは、
手にとった人の印象に残ることうけあいです。
どこにもない、あなた自身を強く表現する「本気名刺」。
こだわりと思いに、職人の技術でお応えします。